御神渡り(おみわたり)

※写真提供:諏訪市観光課・長野県観光協会

御神渡りについて

諏訪の七不思議の1つに数えられている「御神渡り」とは一体全体、何でしょうか?
諏訪湖独特の冬の自然現象で、湖が全面結氷し、その一部がせり上がり筋になる現象のことを呼んでいます。
一説によれば・・・
諏訪大社上社(諏訪市)の男神(建御名方命(たけみなかたのみこと))が下社(下諏訪町)の女神(八坂刀売命(やさかとめのみこと))に会いに行った足跡である、とも言われています。

御神渡りの筋の両端については、諏訪湖の南側(上社側・上図の右下)を建御名方命(たけみなかたのみこと)が下り立ったところということで、「下座(くだりまし)」と呼び、北側(下社側・上図の左上)を上がったところを「上座(あがりまし)」と古くから呼ばれています。

御神渡りの概要MAP

最初に出現した南北方向に走る御神渡りを「一の御渡り」、その数日後同方向に出現したものを「二の御渡り」と呼んでいます。
また、東岸からできて一の御渡り、二の御渡りに直交するものを「佐久の御渡り」と呼んでいます。

ここ20年間では、1991・1998・2003・2004・2006・2008・2012・2013年に出現しています。
地球温暖化の影響や諏訪湖の富栄養化による水温上昇により、毎年出現することは最近では珍しくなってしまいました。

【御神渡りの拝観日】
1991年:2月3日、1998年:1月31日、2003年:1月19日、2004年:1月31日、2006年:1月13日、2008年:2月2日、2012年:2月6日、2013年:1月25日
※御神渡りが確認できなかった年は「明けの海(あけのうみ)」と宣言されます。


御神渡りはどうしてできるのでしょうか?

御神渡り

どうして「御神渡り」はできるのでしょうか?
科学的に次のメカニズムで出来上がると解明されています。

①氷点下10度前後の日が続くと、諏訪湖が全面結氷する。
②この状態が続くと、厳しい夜の冷え込みにより氷が収縮し、表面に亀裂が入る。
③亀裂に湖水が入り込み、薄氷ができる。
④周囲の氷が昼間の温度上昇により膨張し、圧力で薄氷が破壊され、せり上がる。
⑤これを繰り返し、せり上がりがだんだん大きくなる。

 

御神渡り発生時の音

御神渡りが発生する時の音を聴くことができます。(諏訪市博物館で録音)

氷にひびの入る音→割れる音→裂ける音です。


「御神渡り」が諏訪湖独特の現象と言われるワケ

御神渡り

この御神渡りができるためには「自然条件」が必要です。
その「自然条件」とは・・・

・湖の大きさが中位程度である。
・水深が浅い=湖上と湖底の水温差が少ない。
・湖の形がほぼ円形である。
・標高が高い。
・盆地などの地形により、寒冷な空気が滞留し著しく低温になる。
・日中は風が立つが、夜には凪ぐ。
・積雪が少ない。
・晴天の日が多く、日中は気温が上昇する。

この自然条件を見ると、諏訪湖はピッタリです。
なので、諏訪湖独特の自然現象と言われるのですね。


御神渡りが確認されるまで

御神渡り神事

「御神渡を検分する御神渡りの拝観」は八劔(やつるぎ)神社の特殊神事で、
一之御渡・二之御渡・佐久之御渡を拝観して下座(くだりまし・上社側(諏訪市)・湖へ降りた地点)と上座(のぼりまし・下社側(下諏訪町・岡谷市)・湖から上がった地点) の湖岸地点の検分を行ないます。
「御神渡り」の記録は「神渡帳(みわたりちょう)」と呼ばれる書物に記録されており、14世紀からほとんど欠けることなく 記録されているとのことです。
過去の記録と照合し、その年の農作物の状況や世相を占っています。
現存する気象記録の中でも、最も古いもののひとつである、と言われています。

 

八劔神社の拝観神事の概要

1.諏訪湖に御神渡りができると日取りを決め、
2.宮司・氏子総代・古役など70名が自宅の門戸に注連縄(しめなわ)を張り、精進潔斎(しょうじんけっさい)に入り、(身を清めておくということです。)
3.拝観日の早朝、門戸の注連縄を自分の体にかけて神社でお祓(はらい)を受け、
4.2組に分かれて御神渡りに沿い湖の氷上を横断し、
5.北岸の上座(のぼりまし)地点を検分してお祓を行ない、
6.佐久之御渡りの下座(くだりまし)地点と方向を確認して終了、各自の注連縄を湖岸の草木の枝にかけて帰り、神前にて奉告祭を行ない、
7.引続き、本年の作柄・世の中の吉凶・気候雨量等の年占を行なう。
となっています。


おすすめの御神渡り鑑賞スポット

立石展望公園から見る御神渡り

間近で御神渡りを見た後は、「立石展望公園」へ。
諏訪湖が一望できる高台にあり、御神渡りを一望にすることが可能です。
さらに、北・中央・南アルプスもお天気が良い日には望めますので、冠雪の山々とのコラボレーションもお楽しみいただけます。

御神渡りを見る時の注意

自然が相手ゆえに、必ず次のことにご注意ください。

・氷の上には乗らない。(氷の厚さが均一ではないため、危険です。)
・路上駐車厳禁。(観光駐車場を利用してください。)
・寒いので(風もあり、体感温度はものすごく低いです。)完全防備で。


諏訪地方に伝わる民話

昔から諏訪地方に伝わる、御神渡りに関する民話があります。

 

諏訪の民話「おみわたり」

むかしむかしの諏訪の地は、いちめんの薮原に毒へびやけものがのさばって、とてもとても人の住めるようなところではありませんでした。
そんな荒れ地をゆたかな美しい国にしたのが、諏訪のお明神さま、諏訪大社のタケミナカタノミコトでした。
諏訪のお明神さまは、それはそれは立派なごようすをしておられました。
背は見上げるように高く、お顔は澄みきって、そのおおしく美しいお姿にはだれもが見惚れたということです。
さて、お明神さまには、ヤサカトメノミコトというおきさきがいました。
この女神さまもほんとうに息をのむほど美しいかたでした。
そよ風のようなお声、野いちごのような唇、肌は雪のように白く、長い黒髪にいつも野の花をさしておられました。
このおふたりの神さまが、力をあわせて荒れた諏訪の地を切りひらかれたのです。
そればかりでなく、おふたりは村の人たちに田や畑のしごとや馬を飼うこと、湖に出て漁をすること、そしてお蚕さんのマユから糸をつむぐことなどを教えました。
おふたりの神さまは、こうして村の人たちといっしょに、とても幸せに暮らしておりました。
でも、ある年のことです。
おふたりはささいなことで大げんかをしてしまいました。
そして、おきさきが湖の向こうの下諏訪にひとりで引っ越してしまわれたのです。
さて、お明神さまはひとりになったさびしさにたえられず、毎日のように下諏訪におきさきをたずねるようになりました。
でもタケミナカタは神さまなので、自分のさびしがりやを村の人たちに知られたくありませんでした。
「見つかったら笑われてしまう」と、暗くなってから湖に舟を出し、夜明け前にこっそりと帰ってくるのでした。
そんなある夜のこと、いつものように夜の明ける前に帰ろうと岸に出ると、湖に氷が張りつめて舟が出せなくなっているのです。
さてこまった。
もうすぐ夜明けです。
「こうなったら走っていこう!」お明神さまは氷の上を、だ、だあんと走り出しました。
その足音はまるで地鳴りのようにひびきわたり、氷はバリバリと音をたててひび割れました。
お明神さまの走り去ったあとには、さけた氷がまるで山脈のようにもりあがりました。
夜が明けて、村人たちは氷の山脈に気づきました。
「ははあん!」お明神さまが女神さまのところにおわたりになったのは一目瞭然。
なぜならば、氷の山脈は、お明神さまのお住まいの諏訪の神宮寺から、おきさきのヤサカトメノミコトがいらっしゃる下諏訪まで、ずうんときれいにつづいているのですから。
でも、おふたりのいさかいをこころから心配していた村の人たちは、タケミナカタを笑うどころか、とても喜び、感激しました。
「見ろや、お明神さまがおきさきさまにあいにいらっしゃったで。おらとこの神さまはおきさき思いのほんとにやさしい神さまだ」
お明神さまはずっと下諏訪にかよいつづけ、毎年のように立派な氷の山脈ができました。
村の人たちは、この氷の山脈を『御神渡り』と呼んでおがみました。
「あの大きなお明神さまがおわたりになったのだから、おらあたちが氷にのってもだいじょうぶずら」
御神渡りがすむと、村人たちはこぞって氷の上に出ました。
氷を割って魚も取りました。
御神渡りのできかたで農作物のできぐあいをうらなうようにもなりました。
もちろんいまでも湖がいちめんにこおると、お明神さまの『御神渡り』が見られます。


地球温暖化で御神渡りもなかなか見られなくなりましたが、特徴ある自然現象や自然を守りたいものですね。

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御神渡り

御神渡り外観御神渡り写真2御神渡り写真3

諏訪の七不思議の1つに数えられている「御神渡り」。

諏訪の七不思議の1つに数えられている「御神渡り」とは一体全体、何でしょうか?
諏訪湖独特の冬の自然現象で、湖が全面結氷し、その一部がせり上がり筋になる現象のことを呼んでいます。
諏訪大社上社(諏訪市)の男神(建御名方命(たけみなかたのみこと))が下社(下諏訪町)の女神(八坂刀売命(やさかとめのみこと))に会いに行った足跡である、とも言われています。
※お問い合わせ先:諏訪市観光協会 0266-52-4141

住所諏訪市諏訪湖
電話0266-52-4141
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